Album Jacket,Title and Songs
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Detail
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The Doors [US:1967/1/4]
- Break On Through (To The Other Side)
- Soul Kitchen
- The Crystal Ship
- Twentieth Century Fox
- Alabama Song (Whisky Bar) [*]
- Light My Fire
- Back Door Man [*]
- I Looked At You
- End Of The Night
- Take It As It Comes
- The End
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1stアルバム。[カバー2曲]
ジムの芸術的・挑発的・難解な詩が知的な感じを演出し、4人の研ぎ澄まされた感性がぶつかり合った演奏は、ドアーズの最高傑作に数えられます。
まず、このバンドで特異なことは、バンド構成に必要だと思われていたベースがいません。
ボーカルのジム・モリスン、ハモンド・オルガン中心のレイ・マンザレク、ギターのロビー・クリーガー、ドラムのジョン・デンズモアという編成で、
ロックンロールを根幹としていない複雑怪奇な演奏はロックとジャズの融合といわれました。
このアルバムでは、特にレイのハモンド・オルガンが前面に出ており、不健康なサウンドはジムのボーカルと共に多くの若者を虜にしました。
アルバム・ジャケットもカッコ良く、特に「THE doors」ロゴは以後の名刺代わりといって良いほど使われています。
当然、ドアーズの中でも最も良く聴くアルバムのひとつです。
- Break On Through (To The Other Side)
ロックンロールとは違ったハイ・テンションな感じのオープニング・ナンバー。
このナンバーはデビュー曲でもあります。
ジョンのドラミングがジャズ風でハモンド・オルガン・ソロも印象的ですが、ジムのボーカルも張りがあり迫力があります。
- Soul Kitchen
レイのハモンド・オルガンが病的に怪しい感じを演出するナンバー。
全体的にはハモンド・オルガンが目立ちますが、ソロ・パートはギターで、ちょっと外したような音階が良いです。
このナンバーのように、明るめのナンバーでも何処か怪しげなサウンドです。
- The Crystal Ship
ジムのボーカルとレイのキーボードが美しいバラード・ナンバー。
ピアノ・ソロも良いですが、バックで流れるハモンド・オルガンがまた良いです。
ドラムとギターは雰囲気を盛り上げる裏方に徹しています。
- Twentieth Century Fox
ロビーのギターが複雑なナンバー。
前奏のギターにクラシカルな感じも受け、ソロもギターですが、レイのハモンド・オルガンが入ることでドアーズになります。
- Alabama Song (Whisky Bar) [*]
跳ねるようなハモンド・オルガンが印象的なポップなカバー曲。
マンドリンだかバンジョーはロビーが弾いているのでしょうか?
- Light My Fire
シングル2枚目にして全米No.1に輝いた大ヒット・ナンバー。
ドアーズの代表曲のひとつで、ハモンド・オルガンがサーカスのように目まぐるしい展開です。
間奏でハモンド・オルガンとギターのソロ・バトルがあり、7分を超える大作ですがシングルでは省略されています。
- Back Door Man [*]
このアルバム中、最もロックっぽいカバー曲。
リズムは単調でギターはブルースっぽいですが、ハモンド・オルガンはドアーズ・サウンドであることの証明です。
- I Looked At You
ギターのアルペジオとハモンド・オルガンが盛り立てるポップ目のナンバー。
ハモンド・オルガンのソロも良いですが、ジョンのドラミングもイカしています。
- End Of The Night
ジムのボーカルとギターのサウンドが幻想的なスロー・ナンバー。
- Take It As It Comes
ジムのボーカルが強弱のあるボーカルが印象的なナンバー。
2回のハモンド・オルガンのソロは、このアルバムでのレイのベスト・プレイだと思います。
- The End
ジムの詩とボーカルがインパクトのある問題作で、ドアーズを代表する傑作ナンバー。
このナンバーではどちらかというとキーボードが裏方で、ギターが前面に出ており、オリエンタルな雰囲気を醸し出します。
もちろん、ジムを前にしたらギターも裏方なのですが。
低音から高音に一気に駆け上がる単音ギターもドアーズ・サウンドの特徴のひとつです。
ドラムも複雑で、特にシンバルの使い方が効果的です。
4人の特徴がそれぞれに表れており超大作ではありますが、10分オーバーであることを感じさせない緊張感を持ったナンバーです。
ドアーズ屈指の名曲であり、個人的にもこのアルバムのベスト・ナンバーであるだけでなく、全楽曲でも3本の指に入ります。
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Strange Days [US:1967/9/25]
- Strange Days
- You're Lost Little Girl
- Love Me Two Times
- Unhappy Girl
- Horse Latitudes
- Moonlight Drive
- People Are Strange
- My Eyes Have Seen You
- I Can't See Your Face In My Mind
- When The Music's Over
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2ndアルバム。
ファースト・アルバムと並ぶ代表作で、どちらを最高傑作と呼ぶかは人によって異なります。
前作に比べ、ギターが台頭している気がしますが、依然としてハモンド・オルガンがドアーズ・サウンドを支えています。
曲目・演奏ともかなり充実していますが、この二作はほとんどアマチュア時代に作った曲みたいです。
いかにドアーズが完成していたバンドなのかが伺えるエピソードです。
ハモンド・オルガンの音が前作に比べ、高音を多用した上、クリアな音になっており、不健康な感じが薄れている気がします。
アルバムのテーマとして「Strange」という言葉が使われていますが、「奇妙」ではなく「非日常」という解釈が一般的です。
アルバム・ジャケットも「Strange」(ここでは奇妙?)にマッチしていますが、一見タイトルもバンド名もありません。
良く見ると、右上のポスターにメンバーの写真、「THE doors」ロゴがあり、『Strange Days』というステッカーが張ってあります。
個人的には、ドアーズのベスト・アルバムです。
- Strange Days
タイトルに負けない、奇妙な感じのするオープニング・ナンバー。
ボーカルのエフェクト処理も幻想的な雰囲気を演出しますが、ハモンド・オルガンやギターも雰囲気を盛り上げます。
- You're Lost Little Girl
バッキングのハモンド・オルガンが美しいスロー・ナンバー。
ジムのボーカルもギターのアルペジオも曲を盛り上げます。
間奏はギター・ソロ。
- Love Me Two Times
ギター・リフが印象的なアップ・テンポなナンバー。
歌詞は「今夜は2回セックスしよう」を乱発しており、問題を起こしたといわれています。
レイはハープ・シコードを弾いており、ソロもハープ・シコードです。
- Unhappy Girl
ハモンド・オルガンとスライド・ギターが印象的なポップ・ナンバー。
ハモンド・オルガンの音が高音を多用しており、ギターの音が非日常的な感じを出しています。
- Horse Latitudes
ジムの詩の朗読のバックに効果音が色々使われているナンバー。
次曲に繋がるイントロダクションです。
ライブでは次曲の後半で朗読が挿入されます。
- Moonlight Drive
ピアノが印象的なリズムを刻む、美しいバラード・ナンバー。
歌詞も幻想的ですが、ロビーのスライド・ギターも効果的な演出をしています。
ちなみに、ライブではピアノのパートをハモンド・オルガンで弾いており、より幻想的な感じが出ています。
- People Are Strange
アコースティックなシングル・ナンバー。
ギターもピアノも悲しげな感じを演出しています。
ボーカルのハモリをハモンド・オルガンに任せるところあたりはドアーズらしいです。
- My Eyes Have Seen You
ギターの微妙なチョーキングが幻想的なナンバー。
ギロ、ハープ・シコードと色々な楽器が登場しますが、アコースティック・ギターやピアノが曲を盛り上げ、ギター・ソロも良いです。
- I Can't See Your Face In My Mind
効果音的な楽器の使い方をしているスロー・ナンバー。
木琴が効果的なところで出現します。
ジムのボーカルも奥深くて良いです。
途中、木琴をドラム・スティックで叩いているような音がします。
- When The Music's Over
前作のエンディング「The End」と並び称される超大作で、やはり10分を超えるナンバー。
ハモンド・オルガンに始まり、ドラムのシンバルがユニゾン的に平行し、一気になだれ込む感じの前奏にまず参ってしまいます。
曲の抑揚も素晴らしく、後半部での爆発的な盛り上がりは、4人の最高の演奏です。
特に、中間部ではボーカルとドラムのみになる瞬間も多く、かといってハモンド・オルガンやギターが足りてないわけではありません。
各楽器がジムのボーカルを盛り上げるため、緊張感を持って効果的に出現します。
個人的には、このアルバムのベスト・ナンバーであるだけでなく、全楽曲でもベスト・ナンバーです。
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Waiting For The Sun [US:1968/7/11]
- Hello, I Love You
- Love Street
- Not To Touch The Earth
- Summer's Almost Gone
- Wintertime Love
- The Unknown Soldier
- Spanish Caravan
- My Wild Love
- We Could Be So Good Together
- Yes, The River Knows
- Five To One
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3rdアルバム。
このサード・アルバム、非常に書くのが難しいです。
好きなアルバムでもありますが、残念な出来のアルバムでもあり、良い曲もあれば、もっと良くなったはずの曲もあります。
エレクトラの要望なのか、前二作に比べて前衛色が影を潜め、若干ポップ目の印象を受けます。
全体を通してみても大作はなく、綺麗にまとまっており、重厚な感じは受けません。
また、ハモンド・オルガンが前面に出てくる曲は少なく、ドアーズの王道サウンドから外れた感じですが、これもドアーズといったところでしょうか。
ちなみに、アルバム・ジャケットは「THE doors」ロゴをバックに4人が写っており、非常にカッコいいです。
- Hello, I Love You
全米No.1に輝いたヒット・ナンバー。
キンクスの盗作疑惑があったそうです。
オルガン、ギターとも金属的な印象を受ける、今までとは違ったドアーズ・サウンドです。
- Love Street
ハモンド・オルガンとピアノが癒される感じのスロー・ナンバー。
ジムのボーカルも落ち着いています。
- Not To Touch The Earth
超大作、「Celebration Of The Lizard」として採用されるはずだった一部を取り出したナンバー。
単曲でも素晴らしいですが、やはり、中途半端な感じは否めません。
「Celebration Of The Lizard」は「The End」、「When The Music's Over」に続く10分を超える超大作で、ライブでは演奏されています。
エレクトラが気に入らなかったのか、メンバーの満足いく出来にならなかったのか定かではありません。
完成版の全編は『Absolutely Live』で聴ける他、リマスターのボーナス・トラックでも収録されています。
- Summer's Almost Gone
前二作の延長線上にあるドアーズ・サウンドのナンバー。
ハモンド・オルガンは空気程度に存在し、ピアノとギターが主体です。
- Wintertime Love
明るくノリの良いワルツ・ナンバー。
メロディ・ラインが流れるようで、好きなナンバーです。
ハープ・シコードが美しく、サビのジムの低音ボーカルも良いです。
- The Unknown Soldier
反戦を唄ったナンバー。
間奏で、兵隊の行進と銃声が入るのが生々しいです。
ハモンド・オルガンにビブラートが掛かっているのか、音が悪い気がします。
- Spanish Caravan
タイトル通り、スパニッシュなナンバー。
ロビーがスパニッシュ・ギターを弾いていますが、もともとクラシックの要素を持っているギタリストなので、違和感がありません。
地味な部分ですが、盛り上がる部分のジョンのドラミングが良いです。
- My Wild Love
クラップ・ハンド以外にはコーラスとパーカッションしか出てこないナンバー。
古代の祭りの時に村全体で唄うような祈りのような気がします。
- We Could Be So Good Together
ハモンド・オルガンとギターがユニゾンするナンバー。
このアルバムでは珍しく、ハモンド・オルガンが前面に出ていますが、地味な曲です。
- Yes, The River Knows
ピアノ主体のジャズ風スロー・ナンバー。
ジムのボーカルが良く、メロディ・ラインも良いです。
ギター・ソロもなんとなくロビーらしくなく、予想出来る範囲の一般的な音階を弾いています。
- Five To One
この曲も反戦を唄ったといわれるエンディング・ナンバー。
悪くない曲ですが、前二作のエンディングがドラマティックだったので、物足りないナンバーです。
この曲をファースト、セカンドのエンディングと比べるのは酷ですが、このアルバムの評価が前二作に及ばない一因でもあります。
本来、この位置に「Celebration Of The Lizard」が来るはずだったことを思えば荷が重すぎ、正当に評価されていないかもしれません。
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The Soft Parade [US:1969/7/--]
- Tell All The People
- Touch Me
- Shaman's Blues
- Do It
- Easy Ride
- Wild Child
- Runnin' Blue
- Wishful Sinful
- The Soft Parade
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4thアルバム。
ドアーズの中で、最もポップ志向だったのはギターのロビーのような気がします。
本作では、「Touch Me」を始め、作曲者としても活躍していますが、「Light My Fire」もロビー作であることを考えればうなずけます。
しかし、ドアーズのアルバムでは最も浮いたアルバムとなってしまっているのも事実です。
エンディングのタイトル・チューン、「The Soft Parade」のプログレっぽさも、ドアーズの持つ奥深さかつ重厚さからは程遠い感じです。
ちなみに、何故か、このアルバムから「THE doors」ロゴが表になく、以後、使われなくなったのは意味があるのでしょうか?
裏には立体的な「THE doors」ロゴがありますが。
- Tell All The People
ブラスをフィーチャーした明るめのスロー・ナンバー。
いきなりブラスで「なんで???」って感じのオープニングです。
- Touch Me
全米No.1に輝いたブラスやストリングスを使用しているヒット・ナンバー。
単調なリズムやストレートな歌詞は普通のポップ・ソングのような感じで、ドアーズ・サウンドとしては異質です。
- Shaman's Blues
ギターが微妙にコード進行を外しているワルツ・ナンバー。
キーボードは普通ですが、ギターは不気味な感じです。
- Do It
冒頭の笑い声が不気味なナンバー。
ハード・ロック・バンドが採用するような展開が珍しいです。
- Easy Ride
ドアーズらしいハモンド・オルガンが聴けるアップ・テンポなナンバー。
しかし、何処か陽気な感じでカントリーっぽいです。
- Wild Child
ブルースを基調とした次作に繋がる曲調のナンバー。
レイの趣向なのか、この手の曲調がこの後増えてきます。
- Runnin' Blue
ブラスを主体としたナンバー。
途中のセリフの部分がカントリー風で「どうしちゃったの?」というくらい陽気な感じです。
- Wishful Sinful
曲調的には、今までのドアーズ・サウンドを最も持っているナンバー。
ハモンド・オルガンもギターのアルペジオもドラミングもドアーズらしい演奏です。
- The Soft Parade
8分を超えるエンディング・ナンバー。
大作ですが、ファースト、セカンドのエンディングには及ばず、奥深さはありません。
冒頭、「Petition The Lord With Prayer」の朗読が入り、物静かな前奏からしっとりした感じの始まりは、何かを期待させます。
しかし、以後、フュージョンっぽくなったりポップになったりミディアム・ロックになったり忙しい曲で、散漫な感じを受けます。
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Morrison Hotel [US:1970/2/1]
- Roadhouse Blues
- Waiting For The Sun
- You Make Me Real
- Peace Frog
- Blue Sunday
- Ship Of Fools
- Land Ho!
- The Spy
- Queen Of The Highway
- Indian Summer
- Maggie M'Gill
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5thアルバム。
挽回と書きましたが「前作に比べ」ということで、ファーストやセカンドでの奥深いサウンドとは違うし、サードとも違います。
しかし、ブルースを基調とした新しいサウンドも試みており、バラエティーに富んだアルバムといって良いです。
演奏面でもブラスやストリングスを使わず、キーボードやギター中心に戻ったのは嬉しいです。
特に、数曲でレイの不健康で病的なオルガンがフィーチャーされており、また、佳作でもあります。
このアルバムは、A面に「Hard Rock Cafe」、B面に「Morrison Hotel」とサブ・タイトルがついています。
ちなみに、『Morrison Hotel』とは実在のホテルで、このアルバムのためのダミーではなく、本物の建物みたいです。
- Roadhouse Blues
力強いハードなブルース・ナンバー。
ライブでも良く演奏されており、即興が入ります。
新生ドアーズという印象を受けるナンバーです。
- Waiting For The Sun
サード・アルバムのタイトル・チューンであるナンバー。
既にあったナンバーなのか、途中で挫折したのか、わざと入れなかったのか、不明な点が多いです。
しかし、サウンド的には、初期のドアーズに近く、奥深いサウンドでドラマティックな展開です。
特に、ジムのボーカルとレイのハモンド・オルガンが良く、ギターやドラムも良くサポートしています。
- You Make Me Real
ピアノとギターのリフが印象に残るロックンロール・ナンバー。
ドラミングが結構激しく、凄い叩き方をしています。
ライブでは全然違うリフだったりします。
- Peace Frog
珍しい、ギターのカッティングが主体のナンバー。
思えば、ロビーは単音のリフが多いです。
ハモンド・オルガンのバックが心地良いですが、明るめのナンバーです。
- Blue Sunday
これも初期のサウンドに近い、奥の深いジムのボーカルとサウンドが美しいナンバー。
前の曲と繋がっています。
ギター・ソロも良いですが、やはりジムのボーカルが良いです。
- Ship Of Fools
前奏から打って変わって明るいナンバー。
オルガンの音もギターの音も何処か脳天気ですが、間奏からブリッジの部分はドアーズらしいです。
- Land Ho!
またまた、脳天気に明るいナンバー。
明るいナンバーだとレイのハモンド・オルガンが軽く聴こえます。
ドアーズっぽくないナンバーです。
- The Spy
不思議な感じのギターが印象的なスロー・ナンバー。
ピアノやドラムはジャズっぽいです。
- Queen Of The Highway
ハモンド・オルガンが印象的なナンバー。
ジムのボーカルも良く、時々現れる不協和音もドアーズらしいサウンドです。
ドラムも地味ですが面白いです。
- Indian Summer
シタールみたいなギターとエコーの掛かったジムのボーカルが印象的なスロー・ナンバー。
オリエンタルな雰囲気を持つギター・サウンドが、「The End」っぽい気がします。
- Maggie M'Gill
ドアーズのエンディング・ナンバーでは一番印象の薄いナンバー。
「Peace Frog」や「Ship Of Fools」、「Land Ho!」は脳天気なりに目立つ曲ではありますが、この曲は本当に地味です。
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L.A. Woman [US:1971/4/--]
- The Changeling
- Love Her Madly
- Been Down So Long
- Cars Hiss By My Window
- L.A. Woman
- L'America
- Hyacinth House
- Crawling King Snake [*]
- The WASP (Texas Radio And The Big Beat)
- Riders On The Storm
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6thアルバム。[カバー1曲]
ジム・モリスンの遺作となってしまったわけですが、前向きさが感じられるアルバムです。
但し、往年のドアーズ・サウンドとは違いブルージーな感じで分かりやすい展開の曲が多く、強弱のメリハリの効いた曲は少ないですね。
また、ジムの声が「詠うだけで奥行きのある声」とは程遠く、明らかに悪くなっています。
低音部はまだ良いのですが、高音部がどうしようもなくかすれています。
しかし、その分、力強さが感じられる部分もあり、ボーカリストとしても成熟が感じられます。
- The Changeling
ギターにペダル・ワウを使ったロック調ナンバー。
ハモンド・オルガンも目立ちますが乾いたサウンドで、今までのドアーズ・サウンドとはちょっと違う感じです。
- Love Her Madly
カッティング・ギターとピアノが軽快なロックンロール・ナンバー。
ハモンド・オルガンのソロが良いです。
- Been Down So Long
ジムのボーカルが力強いナンバー。
この曲調では、声が割れていても違和感がありません。
ギターは何処かで聴いたことあるようなフレーズです。
- Cars Hiss By My Window
ペダル・ワウを使用したブルース・ナンバー。
キーボードがほとんど出てきません。
- L.A. Woman
ピアノとギターが軽快なロック・ナンバー。
ドラマティックな展開はありませんが、7分を超える大作です。
歌詞に登場する、「Mr. MoJo Risin」は「Jim Morrison」を並べ替えたお遊びのようです。
- L'America
不気味な感じのギター・リフが印象的なナンバー。
悪魔的というか、黒魔術的というか、全体的に邪悪的です。
特に、ハモンド・オルガンは病的ですがが、突然ポップになるパートがあります。
- Hyacinth House
カントリー風な感じのナンバー。
- Crawling King Snake [*]
エレピとギター・ソロが印象的なブルースのカバー曲。
- The WASP (Texas Radio And The Big Beat)
ほとんど詩の朗読に近いナンバー。
バックの演奏はブルージーというか意外とハードです。
電子ドラムなのか、効果音なのか、エフェクトなのか、面白い音があります。
- Riders On The Storm
雷や雨のSEが入る、このアルバム最高にしてジム在籍時におけるドアーズ最後の傑作ナンバー。
7分を超える大作ですが、ドラマティックな展開でエレピやギターも印象深いです。
地味ながらドラムも良い仕事をしています。
個人的には、このアルバムのベスト・ナンバーであるだけでなく、超大作三作に次ぐナンバーで、
『The Soft Parade』以降では間違いなく最高傑作といって良いです。
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Other Voice [US:1971/10/--]
- In The Eye Of The Sun
- Variety Is The Spice Of Life
- Ships W/ Sails
- Tightrope Ride
- Down On The Farm
- I'm Horny, I'm Stoned
- Wandering Musician
- Hang On To Your Life
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7thアルバム。未入手。
- In The Eye Of The Sun
- Variety Is The Spice Of Life
- Ships W/ Sails
- Tightrope Ride
- Down On The Farm
- I'm Horny, I'm Stoned
- Wandering Musician
- Hang On To Your Life
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Full Circle [US:1972/7/--]
- Get Up And Dance
- 4 Billion Souls
- Verdilac
- Hardwood Floor
- Good Rockin
- The Mosquito
- The Piano Bird
- It Slipped My Mind
- The Peking King And The New York Queen
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8thアルバム。未入手。
- Get Up And Dance
- 4 Billion Souls
- Verdilac
- Hardwood Floor
- Good Rockin
- The Mosquito
- The Piano Bird
- It Slipped My Mind
- The Peking King And The New York Queen
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An American Prayer [US:1978/11/--] (Jim Morrison)
- Awake
- Ghost Song
- Dawn's Highway / Newborn Awakening
- To Come of Age
- Black Polished Chrome / Latino Chrome
- Angels and Sailors / Stoned Immaculate
- The Movie
- Curses, Invocations
- American Night
- Roadhouse Blues [Live] ? 6:59
- Lament
- The Hitchhiker
- An American Prayer
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ジムの死後、ジムの詩の朗読にメンバーがサウンドをつけた編集アルバム。未入手。
- Awake
- Ghost Song
- Dawn's Highway / Newborn Awakening
- To Come of Age
- Black Polished Chrome / Latino Chrome
- Angels and Sailors / Stoned Immaculate
- The Movie
- Curses, Invocations
- American Night
- Roadhouse Blues [Live] ? 6:59
- Lament
- The Hitchhiker
- An American Prayer
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Absolutely Live [US:1970/7/--]
- House Announcer [*]
- Who Do You Love? [*]
- Alabama Song (Whisky Bar) [*]
- Back Door Man [*]
- Love Hides
- Five To One
- Build Me A Woman
- When The Music's Over
- Close To You [*]
- Universal Mind
- Petition The Lord With Prayer
- Dead Cats, Dead Rats
- Break On Through (To The Other Side) No. 2
- Celebration Of The Lizard
- Lions In The Street
- Wake Up
- A Little Game
- The Hill Dwellers
- Not To Touch The Earth
- Names Of The Kingdom
- The Palace Of Exile
- Soul Kitchen
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生前に発売された唯一のライブ・アルバム。[カバー4曲、アナウンス1曲]
かなり重要なアルバムで、「Celebration Of The Lizard」だけでも聴く価値・買う価値があると思います。
公式にはスタジオ・レコーディングされていない、というかサード・アルバム発売時にお蔵入りした曲です。
サード・アルバム自体には完成形の一部、「Not To Touch The Earth」のみが収録されています。
このアルバムでは完成版として全編が聴け、ジム・モリスンの朗読で始まり、ドラマティックな展開が待ち受けます。
4人のバトルといって良い素晴らしい緊張感を持ったナンバーで、研ぎ澄まされた気の抜けない空間が、そこにあります。
個人的にも、「The End」、「When The Music's Over」と並んで最重要な超大作で、全楽曲中、好きな曲のベスト3に入ります。
(リマスター版のボーナス・トラックとしてスタジオ版の全編が聴けます)
他にも、「When The Music's Over」を始め、「Dead Cats, Dead Rats」〜「Break On Through」のメドレー、
「Soul Kitchen」と素晴らしいライブ・アルバムです。
- House Announcer [*]
- Who Do You Love? [*]
- Alabama Song (Whisky Bar) [*]
- Back Door Man [*]
- Love Hides
- Five To One
- Build Me A Woman
- When The Music's Over
- Close To You [*]
- Universal Mind
- Petition The Lord With Prayer
- Dead Cats, Dead Rats
- Break On Through (To The Other Side) No. 2
- Celebration Of The Lizard
- Lions In The Street
- Wake Up
- A Little Game
- The Hill Dwellers
- Not To Touch The Earth
- Names Of The Kingdom
- The Palace Of Exile
- Soul Kitchen
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Alive, She Cried [US:1983/10/--]
- Gloria [*]
- Light My Fire
- You Make Me Real
- The WASP (Texas Radio And The Big Beat)
- Love Me Two Times
- Little Red Rooster [*]
- Moonlight Drive (Including. Horse Latitudes)
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ライブ・アルバム。[カバー2曲]
曲数は多くありませんが、充実したライブ・アルバムです。
特に「Moonlight Drive」は秀逸ですし、「Love Me Two Times」や未発表カバー曲、「Gloria」、「Little Red Rooster」も良いです。
「Light My Fire」は、後述する『Live At The Hollywood Bowl』収録のバージョンより良いです。
- Gloria [*]
- Light My Fire
- You Make Me Real
- The WASP (Texas Radio And The Big Beat)
- Love Me Two Times
- Little Red Rooster [*]
- Moonlight Drive (Including. Horse Latitudes)
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Live At The Hollywood Bowl [US:1987/9/--]
- Wake Up
- Light My Fire
- The Unknown Soldier
- A Little Game
- The Hill Dwellers
- Spanish Caravan
- Light My Fire (Edit Of Live Version)
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ライブ・アルバム。
内容的には、不満の残るライブ・アルバムです。
『Alive, She Cried』と曲数こそ一緒ですが、「Light My Fire」が2曲入っており、同じテイクの編集であるため、実質6曲です。
No.1、No.4、No.5は、『Absolutly Live』がリリースされていなかったら重要でしたが、リリースされている以上、
「Celebration Of The Lizard」の完成版として聴けるので消化不良です。
- Wake Up
- Light My Fire
- The Unknown Soldier
- A Little Game
- The Hill Dwellers
- Spanish Caravan
- Light My Fire (Edit Of Live Version)
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In Concert [US:1991/5/21]
■Disc 1
- House Announcer
- Who Do You Love?
- Alabama Song (Whisky Bar)
- Back Door Man
- Love Hides
- Five To One
- Build Me A Woman
- When The Music's Over
- Universal Mind
- Petition The Lord With Prayer
- Dead Cats, Dead Rats
- Break On Through, #2
- Celebration Of The Lizard
- Lions In The Street
- Wake Up
- A Little Game
- The Hill Dwellers
- Not To Touch The Earth
- Names Of The Kingdom
- The Palace Of Exile
- Soul Kitchen
■Disc 2
- Roadhouse Blues
- Gloria
- Light My Fire
- You Make Me Real
- Texas Radio And The Big Beat
- Love Me Two Times
- Little Red Rooster
- Moonlight Drive
- Close To You
- Unknown Soldier
- The End
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前述の3枚のライブ・アルバムを収録した編集アルバム。[カバー6曲、アナウンス1曲]
解説は各々のアルバムに譲るとして、このアルバムの特徴は、
- 現在では、このCDのみしか手に入らない
- LP『Absolutely Live』は全曲収録
- LP『Alive, She Cried』は全曲収録
- CD『Live At The Hollywood Bowl』からは1曲のみ
- Video『Live At The Hollywood Bowl』から1曲
- LP『American Prayer』から1曲
となっています。
出来の良い、LP『Absolutely Live』、LP『Alive, She Cried』から全曲収録されているので問題ありませんが、
どうせなら『Live At The Hollywood Bowl』は捨てて、『An American Prayer』を全曲収録して欲しかったと思います。
■Disc 1
- House Announcer 『Absolutely Live』
- Who Do You Love? 『Absolutely Live』
- Alabama Song (Whisky Bar) 『Absolutely Live』
- Back Door Man 『Absolutely Live』
- Love Hides 『Absolutely Live』
- Five To One 『Absolutely Live』
- Build Me A Woman 『Absolutely Live』
- When The Music's Over 『Absolutely Live』
- Universal Mind 『Absolutely Live』
- Petition The Lord With Prayer 『Absolutely Live』
- Dead Cats, Dead Rats 『Absolutely Live』
- Break On Through, #2 『Absolutely Live』
- Celebration Of The Lizard
- Lions In The Street 『Absolutely Live』
- Wake Up 『Absolutely Live』
- A Little Game 『Absolutely Live』
- The Hill Dwellers 『Absolutely Live』
- Not To Touch The Earth 『Absolutely Live』
- Names Of The Kingdom 『Absolutely Live』
- The Palace Of Exile 『Absolutely Live』
- Soul Kitchen 『Absolutely Live』
■Disc 2
- Roadhouse Blues 『An American Prayer』
- Gloria 『Alive, She Cried』
- Light My Fire 『Alive, She Cried』
- You Make Me Real 『Alive, She Cried』
- Texas Radio And The Big Beat 『Alive, She Cried』
- Love Me Two Times 『Alive, She Cried』
- Little Red Rooster 『Alive, She Cried』
- Moonlight Drive 『Alive, She Cried』
- Close To You 『Absolutely Live』
- Unknown Soldier 『Live At The Hollywood Bowl (CD)』
- The End 『Live At The Hollywood Bowl (video)』
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